障がい者の就労支援に関する高等教育カリキュラムの開発

障がい者の就労支援に関する高等教育カリキュラムの開発
【概要】
 障がい者就労支援のカリキュラムを組み、各学部生に第2専攻として習得させ、卒業後に各方面で障がい者の就労支援を担う、障がい者就労支援コーディネーターを養成する。
【目的・目標】
 これまでの障がい者への就労支援は、就労の可能性がある人に訓練を施し限られた業種への就労を目指すという限定的な就労支援であったが、本事業では、適切な支援を行うことで障がい者全員が就労可能になるという新しい発想のもと、共生社会構築に必要な就労支援を行う専門家である、「障がい者就労支援コーディネーター」を養成するカリキュラム開発を目的とする。
【必要性・緊急性】
 障がいの有無にかかわらず地域で共に暮らすノーマライゼーションの取り組みが進む中、障害者自立支援法の施行により、障がいがある人全ての人の就業を可能にするための就労支援への取り組みが急務であるが、日本の大学における教育課程の中で、障がい者就労支援を教育するシステムは未だ存在していない。(*1)
 また、障がい害の就労支援を担当する専門職の養成が急務であり、しかもコーディネーターは最も期待される役割として期待されている。(*2)
【独創性・新規性等】
  • 障がい者の就労支援を系統的に教育する全国初のカリキュラム開発となる。
  • 障がい者就労専門職のチームアプローチとして、心理学、教育学、社会福祉学、経済学、医学、工学領域との共同作業が求められている(*1) が、佐賀大学にはこれらの関連領域の全ての教員が所属しており、かつ生活支援教育に実績を有している。
  • 医・工・福祉連携による障がい者の生活支援そして就労支援を行うための人材育成は佐賀大学独自の事業展開である。
  • 「障がい者就労支援コーディネーター」は、障がい者の就労能力の発見と評価、就労先の業務との関係の分析と調整、就労意欲の向上を図り、就労先との交渉を行い、更に就労後も自立して就労可能になるまで支援していく機能を有する専門家である。

本年度に実施する事業内容

  1. 学部間連携教育体制の拡充する。
  2. 障がい者就労支援評価方法の検討する。
  3. 基礎データ及び支援事例データ収集を行う。
  4. 佐賀県障害福祉課就労支援室との協議を進める。
  5. コミュニケーションエイド研究のための設備導入を行う。
  6. テクノエイド研究を推進する。
  7. 就労支援事例の収集とデータベースの構築を図る。
  8. 就労支援に向けた講演会を開催する。
  9. 次年度開設科目の準備を行う。

就労支援を推進する理由

 これまでの研究で不足していた分野、継続して医療的ケアを必要とする人々、高次脳機能障がい者、軽度の発達障害、等の方の就労支援を先駆的に行うことが必要

就労支援シンポジウムの開催

 平成20年3月16日(日)
 13:00〜17:00
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